函館タクシー・介護センター様
拝啓
初夏の侯、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
平成18年5月、私ども夫婦の函館旅行の際には、大変にお世話になりましてありが
とうございました。
大変に遅くなりましたが、その時の写真をお送りいたしますので、どうぞお受け取り下さいますようお願いいたします。
実は、6月1日に妻和子が永眠いたしました。
函館旅行は亡くなった妻が以前から楽しみにしており、やっと機会を得て行くことができました。「立待岬」「五稜郭タワ―」と楽しく観光し、妻は 「湯の川温泉」に泊まるので、温泉に入るのを楽しみにしておりました。
ところが、宿泊した「啄木亭Ⅰに家族風呂がなく、せっかく温泉に来たのにお風呂に入れないと部屋で悲しそうにしていた顔と、てっきりお風呂には入れないと
あきらめていたのに、成田さんに抱きかかえられお風呂に入れてもらって、部屋に帰って来て嬉しそうにしていた妻の顔が、今でもはっきりと私の瞼に焼き付い
ております。
本当に嬉しかったのだと思います。
お送りした写真は、その時の妻の嬉しそうな様子を写したものです。
大変にありがとうございました。
妻は亡くなりましたが、妻と同じように函館に旅行に来て温泉に入れないで悲しい思いをしている身体の不自由な方も大勢いると思います。
ぜひ、その人達にも心温まるケアを今後も続けられることを希望いたしますので、成田さん、いつまでも丈夫で逞しい身体でいて下さい。
最後になりますが、成田さんを紹介してくれ、函館山では奥様の防寒コートまで用意して妻に着せてくれた菊池さんにも、くれぐれもよろしくお伝え下さい。
同封しました、菊池さんが写っている写真を差し上げて下さい。
私も何度か函館山の夜景を見ましたが、その時、妻と―緒に見た夜景は空気が澄んで本当にすばらしく、街の灯りがキラキラと輝いており、妻も「わぁっ凄い、わぁっきれい」を連発し感激しておりました。
私ども夫婦にとって、思い出に残る本当に楽しい旅行をありがとうございました。
皆様の今後ますますのご活躍を、遠い盛岡の空から祈っております。
敬具